子育てで感じた違和感【第三章】②
〈その2〉キャミソール
娘は女性用下着というモノをこれまで一度も身に着けたことがない。
第一次性徴期、第二次性徴期、胸も膨らみ始めるかなという頃、
「そろそろブラジャーとかどうかな」
と提案したが、聴こえない振りに終わった。
小学5年生の林間学校のときも、
小学6年生の修学旅行のときも、
「みんなも着けてるから、そろそろ着けてみない?」
との私の提案に「イヤだ」の一蹴だった。
中学校の修学旅行では、
もうさすがに着けさせなくてはと思い、
「ブラジャーが嫌なら、せめてスポーツブラとかどうかな?」
と提案したが、
「絶対に着けたくない!」と猛反撃。
中学校2年生のとき、
学校で行われた修学旅行の説明会で、
持ち物リストを見ながら、娘が、
「キャミソールってなに?」と質問して、
周りの女友だちが皆ドン引きしたという出来事があった。
ブラジャーもキャミソールも彼女の辞書には存在しない。
結果、娘は未だ、
人生で一度も女性用の下着を着けたことがない。
後に知ったことだが、
当時、娘が本当に身に着けたかったものは、
ブラジャーでも、キャミソールでもなく、
「サラシ」だった。
-- そう、これが、
あの日、私がカミングアウトを受けた時に、心に起こったもやもやの正体のひとつ。
〈詳しくは『ふたつの感情【第一章】』〉
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