子育てで感じた違和感【第三章】④
〈その4〉学用品
小学校のときには、よく学年ごとに集団購入させられる学用品というものがあった。
チラシが配られて、その中から好きなデザインのものを選んで注文する。
習字道具セット、彫刻刀セット、裁縫セット、手作りエプロンキットなどなど。
そんなとき、娘はいつも男の子用のチラシから選んでいた。
そこに違和感を感じなくはなかったけれど、はっきり言って、女の子用のキラキラしたラメやピンクが散りばめられた派手なデザインと違って、娘の選んでくるメンズシリーズは、シャチの柄だったり、スポーツメーカーのロゴだったり、単純な幾何学模様だったり、シンプルかつスッキリしたデザインのものが多く、私にもむしろそっちの方がいいと思えてしまい、娘の希望をそのまま受け入れていた。
普段使いの私物の学用品も、
缶ペンケースはNIKE。
中身の筆記用具は、何の変哲もないuniの鉛筆とMONOの消しゴム。
下敷きは無色透明。
手提げ袋は無地のデニム。
水着の大判タオルはadidas。
いま思えば、小学生の持ち物にしては、あまりに味気なく、シンプルすぎるものばかりだった。
まわりの子供たちは、みんな可愛いキャラクターもののデザインを選ぶなか、娘は、いつもそういった女の子っぽいデザインを避けていた。
私は、この子は大人っぽいデザインが好きなのだと思っていた。
-- そう、これが、
あの日、私がカミングアウトを受けた時に、心に起こったもやもやの正体のひとつ。
〈詳しくは『 ふたつの感情【第一章】』〉
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